従来の測定方法とフォトメーターによる混合度測定

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混合完了を判断する為の従来の方法

フォトメーターの概要

混合度測定方法1 リアルタイム測定

混合度測定方法2 サンプリング測定

混合完了を判断する為の従来の方法
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1:目視

作業者が色の均一を目視で判断し、混合完了を判定します。


2:個数を数える

あるサンプルに於いて白い粉と黒い粉の個数を数え、採取したいくつかのサンプルについて統計処理をして混合度を計算します。(顕微鏡等)


3:濃度の測定

濃度に着目し、採取したサンプルの濃度について統計処理をして混合度を計算するという方法です。


4:反射光量の測定

アナログ電圧出力を持った光電スイッチを利用して粉の反射光量を測定し、その反射光量を濃度に変換し、それぞれの測定箇所の濃度について統計学的な手法により混合度を計算するという方法です。


5:上記いずれの方法でも同色原料は区別できません

しかし生産現場での粉の混合においては、白色の粉と黒色の粉を混合することはほとんど無く、白色の粉と白色の粉の混合、黒色の粉と黒色の粉の混合などの同色の粉を混合する場合が多くあり、この様な場合は目視や光電スイッチでは原料の区別が付かず測定できません。

このような場合は便宜的に、原料の一方を粒径や質量が良く似た、全く色の違う粉でシムレーション混合し、同色粉体原料の混合を推測するという方法がよく採られますが、あくまでも実測値ではありません。


6:分光光度計、液クロ、その他分析機器

混合試料を溶液に一定量溶かし、分光光度計で光の吸収スペクトルを測定するという方法や液体クロマトグラフで原料成分を分析する方法も多く用いられていますが、テストのための前処理が必要で測定結果が出るまでに多くの時間を要します。

また、食塩または砂糖を含む混合物においては、試料を塩分分析計または糖分分析計で測定する方法もありますが、これらも測定結果が出るまでに多くの時間を要します。


7:完成品の性能から推測する

多くの企業の方に混合時間についてお聞きしますと、一番多い答えは ”完成品の物性や性能を測定して、実施テストを行ってみて、混合時間を決めている” というものです。 薬品などでは完成品を成分分析しておられ、現場の混合工程ではその指示通りの時間を混合しておられますが、これも測定結果が出るまでに非常に多くの時間を要します。


8:必要とされる測定方法

混合原料を完全混合する為に必要な時間の検討や混合機運転速度の検討、また混合する原料に一番合った混合方式の選定などの為には混合状態を数値で表して比較する必要があります。 同色の原料であっても、また同一原料の混合であっても、模擬粉体によるシミュレーションでは無く、混合する原料そのもので混合状態を評価出来る測定方法が要求されます。


従って、簡便に測定でき、測定結果がすぐに得られる測定法が望まれています。

フォトメーターの概要
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フォトメーターは物体の反射光量(または透過光量)の任意の範囲を測定フルスケールとして設定し、その範囲内の微小な光量の違いを測定する装置です。
色をLab(L:明るさ、ab:色あい)で表現すると、フォトメーターはLを測定する装置です。

しかしフォトメーターはLを絶対値で測定するのでは無く、Lの任意の微小な範囲を(広範囲のゼロ調整回路と超高精度のゲイン調整回路によって)相対的に測定フルスケールに設定できますので、物体の反射光量(または透過光量)の微小な違いを測定できます。


scale

■ PM-3は同色原料でもわずかの反射率の相違を識別し、入力光量の任意の範囲をフルスケールに設定可能です。

  白色と白色   (例:カタクリ粉とコーンスターチ)
  黒色と黒色   (例:コピー用トナーのメーカー別)

■ 同一原料であっても粒径、表面形状、光沢、含水量等の違いにより識別し、フルスケールに設定可能です。


フォトメーターの出力はアナログ出力( 0.00〜5.00V)です。
それは白と黒の間の絶対値を表しているのではなく、広範囲のゼロ調整回路や高精度のゲイン調整回路の調整による相対値を表しています。

フォトメーターのフルスケールを白と黒に合わせた状態では、白と白は同じ値を示しますが、2つの粉の内の一方の白にゼロ調整を合わせてゲインを大きくすると白い粉同士と見えたものでも、わずかの差異により、大きな違いとして識別することができます。

従って色の似ている原料であっても、混合する原料をフォトメーターで識別出来、識別した違いをフォトメーターのフルスケール(0〜5)近くに拡大する事が出来れば(ゼロ調整・ゲイン調整)、それらの原料の混合物の混合状態をフォトメーターで測定する事が出来ます。


同色粉体や同一原料のの違いを識別できる理由は、以下のような要因があります。

        1:粒径
        2:表面の形状
        3:表面の光沢
        4:表面コーティング(膜、微粒子固定)
        5:含水量
        6:光吸収特性


■ フォトメーターの原理図

      ┌────────┐  
 ┌─┐ ←│(光ファイバー)│← 発光部 ←───────周波数発振器
 │粉│  │  プローブ  │                 │
 └─┘ →│(光ファイバー)│→ 受光部→ 増幅→ ATT→ 同期整流 ┐
      └────────┘                     │
      ┌──────────────────────────────┘
      └─増幅 → LPF → 増幅 → 表示器および出力端子
      (ゼロ調整)     (ゲイン調整)

混合度測定方法1 リアルタイム測定
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混合槽にフォトメーターのプローブを装着し、粉体の混合状態を連続で測定する。
real

測定データ例: scale
大阪府立大学化学工学科 佐藤宗武教授の論文より引用

混合度測定方法2 サンプリング測定
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混合中に混合槽から何分かおきにサンプリングした試料の混合度を測定する場合。
sampling


サンプリングした試料にプローブを当て測定値を記録する。
1つの試料に付いて最低10ケ所くらい場所を変えて測定する。
測定データ例
混合時間            測定データ(番地)         最大最小   平均値 混合度 備考
(分)
        1:4.85  2:4.93  3:4.89  4:5.00  5:4.96  5.00-4.79  4.90         原料A
        6:4.84  7:4.79  8:4.83  9:4.95 10:5.00  

        1:0.08  2:0.13  3:0.07  4:0.10  5:0.03  0.16-0.00  0.08         原料B
        6:0.11  7:0.16  8:0.09  9:0.00 10:0.04  

t1 = 1  1:4.57  2:2.08  3:2.68  4:3.55  5:2.32  4.84-0.56  2.78  0.717  
        6:4.84  7:0.56  8:3.80  9:1.03 10:2.34  

t2 = 2  1:1.98  2:0.89  3:0.81  4:2.02  5:1.06  2.02-0.78  1.17  0.902
        6:0.99  7:0.80  8:1.54  9:0.78 10:0.88  

t3 = 5  1:0.59  2:0.62  3:0.62  4:0.56  5:0.55  0.60-0.55  0.61  0.992
        6:0.69  7:0.61  8:0.65  9:0.62 10:0.58  
        
t4 =10  1:0.48  2:0.49  3:0.46  4:0.46  5:0.44  0.49-0.43  0.46  0.996
        6:0.44  7:0.45  8:0.45  9:0.43 10:0.46 
        

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